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『絶対に後回しにしてはいけない!知的財産権の話』#10

こんにちは、弁理士の服部耕市です。
前回は「特許権取得までの手続きの流れ」についてお話しいたしました。

今回は、WEBを使った簡単な特許調査の方法についてお話ししたいと思います。
無料ですので、ぜひ使ってみて下さい。

日本の特許庁のホームページには、「特許電子図書館(IPDL)」
というデータベースがあり、誰でも無料で使用することができます。

IPDLについては第5回の商標調査のテーマの時に
既に紹介いたしましたが、憶えていらっしゃいますか。

皆さんが特許出願をすると、特許庁は公開特許公報を発行いたします(第8回目参照)。
また、特許権が成立した場合にも特許庁は特許公報を発行します。
これらの公報はIPDLに蓄積されます。

したがって、どのような特許出願がされているか、
どのような特許権が存在するか、を簡単に調べることができます。

しかも、公報のフォーマットは統一されていますので、
技術情報源として大変利用しやすくなっています。

このような公報を網羅しているIPDLが無料で使えるのですから、
日本は何とステキな国でしょうか。
(このようなデーターベースを有するのは日本に限るものでは
ありませんが、まぁ日本はステキということで(笑))

皆さんが思いついたアイディアは、他の人によって
既に特許出願されているかもしれません。

そのことを知らずにアイディア実現の為に研究開発を続けると、
投じた費用・労力が無駄になる
かもしれません。

アイディアを思いついたら、研究開発の前に事前調査をしておきましょう。ぜひ!

第5回目の商標調査の時にも書きましたが、IPDLの検索の入力画面は
一般的なものであり、感覚的に操作できますので、
ここでは詳細な操作説明を省かせていただき、
IPDLを利用して特許調査を行う場合の手順を説明いたします。

◎操作マニュアルはこちら

第5回目の商標調査の時と同様、特許調査の仕方も色々ありますが、
ここではキーワードを用いて検索する簡単な方法について説明しますね。

例えば、
「悪天候を避けて案内経路を設定するカーナビゲーションシステム」
を検索します。

今では、ほとんどの自動車にカーナビが付いていますね。
でも、私の車には付いていません(涙)

「悪天候を避けて案内経路を設定するカーナビゲーションシステム」ですから、
調査の対象は「カーナビゲーションシステム」です。

また、「悪天候を避けて案内経路を設定する」点が特徴ですので、
「悪天候」という文字列を使用している公報を探します。

(1)検索メニューの選択
IPDLのトップページの検索メニューで、
【特許・実用新案検索】→【3.公報テキスト検索】へと進みます。

第10回画像1

(2)公報種別の選択
検索対象の公報を選択します。
ここでは、公開特許公報を選択します。

公開特許公報は出願してから1年6月経過後に発行される公報であり、
基本的に全ての出願について発行されます。

したがって、基本的に全ての出願を対象に検索を行うことができます。

(3)キーワード入力
ここでは、左側のブルー部分を使用します。
なお、右側のピンク部分を併用することで、より高度な検索を行うことができます。

(3-1)検索式1
ブルー部分の【検索項目選択】欄の【要約+請求の範囲】を選び、
その右側の【検索キーワード】欄に「悪天候」と入力します。

この検索式1は、公開特許公報の「要約」欄と「特許請求の範囲」欄の少なくとも
いずれか一方に「悪天候」の文字列が含まれる公開特許公報を探します。

(3-2)検索式2
【検索項目選択】欄の【発明の名称】を選び、
その右側の【検索キーワード】欄に「カーナビ」と入力します。

この検索式2は、公開特許公報の「発明の名称」欄に
「カーナビ」の文字列が含まれる公開特許公報を探します。

なお、【検索項目選択】欄に「発明の名称」の表示が無い場合には、
ボックス右端の「V」マークをクリックしてメニューを表示し、「発明の名称」を選択して下さい。

いま、キーワードとして「カーナビ」と入力しました。

もし「カーナビゲーションシステム」と入力すると、「カーナビゲーション装置」や
単なる「カーナビ」はヒットしませんので、注意が必要です。

物として同じ「カーナビ」であっても、公開特許公報によって
使用されている言葉が異なる場合がありますので、漏れが生じないように注意して下さい。

なお、【検索キーワード】欄に複数のキーワードを入力することもできます。
その場合には、複数のキーワードをスペースで区切るようにします。

そして、【検索キーワード】欄の右側の【検索方式】欄で「OR」か「AND」を選択します。
「OR」は、複数のキーワードのうち少なくともいずれか1つを含む場合、
「AND」は、複数のキーワードの全てを含む場合、
に選択します。

これについては問題ないですよね。

(4)検索の実行
ブルー部分の左下の「検索」ボタンをクリックします。
上記検索式1と検索式2の両方を満たす(AND)公開特許公報を探します。

第10回画像2

ここでは、3件の公報がヒットしました。

ヒット件数が多すぎる場合には、検索式を追加したり見直します。
例えば、キーワード(例えば、「案内経路」)を増やしたり、出願人を限定したりします。

(5)公報の表示
検索が終了すると、「一覧表示」ボタンが表示されますので、
これをクリックすると、検索結果がリスト表示されます。

第10回画像3

そして、内容を確認したい公報の番号をクリックすると、公報が表示されます。

初期状態では、書誌的事項(出願番号や出願人などの情報)、
要約、特許請求の範囲が表示されます。
検索に使用したキーワードがハイライト表示されていますので、
キーワードの使われ方の確認が容易です。

また、公報に図面が含まれている場合には、代表図面も
一緒に表示されますので、発明の理解が容易になります。

もちろん、他の項目も表示させることができますので、
より詳しく内容を読み込むこともできます。必要に応じて、使い分けて下さい。

各公報を確認したところ、2番目と3番目の公報が
「悪天候を避けて案内経路を設定するカーナビ」に関係するもののようです。

このように調査を行うことで、同じような研究開発が
既に行われていることを知ることができます。

方針転換したり共同開発を申し込む等の対応を早い段階で取ることができます。

最後に、注意事項です。

検索対象の公開特許公報は、出願日から1年6月経過後に発行される公報です。
したがって、出願日から1年6月経過していない発明については調査できません。

また、公開特許公報の発行後に出願が補正されることもありますので、
特許された発明とは内容が異なることがあります。

特許された発明については、特許されると発行される特許公報を調査して下さい。

次回は、実用新案制度について、特許制度との相違を中心にお話ししたいと思います。
皆さんは、両者の違いって知っていますか。

どのような場合に実用新案制度を使うと良いのでしょうか。
どうぞお楽しみに!

※上記の「特許電子図書館(IPDL)」については
2014年6月17日現在のものに基づいたものです。

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